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日本カナダ学会とは


会長挨拶 カナダ地域研究のさらなる発展のために

岸上伸啓(国立民族学博物館)

 2022年4月より佐藤信行前会長の後を受けて、日本カナダ学会の会長に就任いたしました。本学会は1977年に設立され、約45年の歴史を有しており、これまで学会誌『カナダ研究年報』とニューズレターの刊行、年次研究大会と地区研究会の開催を中心的な活動としてカナダに関する学際的地域研究を推進してまいりました。そして私たちはカナダの歴史や現状から多民族・多文化共生や国家と先住民の関係の在り方などについて多くのことを学び、その成果を広く社会に発信してきました。

 多民族化・多文化化が進む現在の日本において、私たちはカナダから多くのことを学び、応用することによって、新たな共生社会を構築することができると思います。このため、日本におけるカナダに関する地域研究の学問的・実践的重要性はますます高くなると考えられます。

 ところが、近年、私たちの学会活動を阻害するような、予想と想像をはるかに超える危機的な事態が発生しています。2020年からコロナ感染症が世界的な流行を見せ、国境を越えた人間の移動や交流が著しく制限されました。また、2022年2月末にはロシアのウクライナ侵攻がより一段と活発になり、国際的に大きな政治問題となりました。これらの事態は私たちの日常生活のみならず、研究や調査、交流の諸活動にも大きな影響を与えてきました。

 このような状況の中で、私はカナダ地域研究をさらに発展させるために、任期中に3つの大きな方針(目標)をたて、それらを実行に移したいと考えます。それらの方針とは、(1)カナダ研究のさらなる推進と振興、(2)若手人材の育成と新規会員のリクルート、(3)カナダ研究の面白さの普及を通じたカナダ・ファンの新規開拓です。

 日本におけるカナダ地域研究のより一層の発展のために皆様と力を合わせて頑張りたいと思いますので、ご支援とご協力をお願い申し上げます。最後になりますが、カナダに関心のある方は、ぜひ、日本カナダ学会にご入会下さい。


学会概要

 日本カナダ学会(The Japanese Association for Canadian Studies; JACS)は、カナダを対象とする学際的地域研究学会です。研究者あるいは実務家である会員の専門は、社会科学及び人文科学のほぼ全域をカバーしており、自然科学分野にも及んでいます。通常、研究者はそれぞれの専門別に分かれて活動していますが、JACSでは、こうした専門の壁を越え、カナダという地域に着目した学際的研究を行っています。日本には、地域性と専門性を兼ね備えた学会として、日本カナダ文学会カナダ教育学会があり、また、さらに地域性を強めた学会として日本ケベック学会がありますが、JACSはこうした学会とも連携して、カナダ研究をすすめています。また、JACSは、国際的なカナダ研究ネットワーク組織である International Council of Canadian Studies (ICCS)の創立メンバーとして、日本におけるカナダ研究コミュニティを代表しているほか、日本国内の地域研究ネットワーク組織である地域研究学会連絡協議会のメンバーでもあります。

 JACSでは、2022年4月1日から、新しい学会期(~2024年3月31日)となりました。新しい理事会体制のもと、先達の研究成果を踏まえて、さらなるカナダ研究の推進のために活動を行うこととしています。

会 長 岸上伸啓(KISHIGAMI, Nobuhiro)国立民族学博物館教授
副会長 大石太郎(OISHI, Taro)関西学院大学教授
副会長 田中俊弘(TANAKA, Toshihiro) 麗澤大学教授
副会長 矢頭典枝(YAZU, Norie)神田外語大学教授

事務局 〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1 国立民族学博物館岸上研究室気付 日本カナダ学会
    Tel: 06-6878-8255
    Email: jacs@jacs.jp
    COVID-19対策等から、事務局員在室時間が不定です。Emailでの連絡をお願いいたします。


日本カナダ学会歴代会長一覧 PDF
日本カナダ学会役員一覧(2022-23年度)

 日本カナダ学会役員一覧(2021-22年度)


学会の活動

年次研究大会

国内外のカナダ研究者が集まって開かれる年次研究大会はJACS最大の年間行事です。

地区研究会

JACS会員は、北海道、関東、中部、関西、九州の各地区単位でも、活発な研究活動を行っています。

日本カナダ学会学術賞

JACSは、カナダ研究の促進に資するために「日本カナダ学会学術賞」を設けています。同賞には、「日本カナダ学会賞」(日本におけるカナダ研究の優れた成果を顕彰し、カナダ研究の発展に資することを目的として、カナダに関する優れた邦語書籍及びその著者に対して授与するもの)と「日本カナダ学会研究奨励賞」(日本におけるカナダ研究の促進と研究者の育成を目的として、カナダに関する優れた研究論文及びその著者に対して授与するもの)があります。

国際交流

JACSは、国際カナダ研究協議会(ICCS)および世界の各国のカナダ学会と、密接な連携を保ちながら、情報の交換や人的交流などを通じて、国際的活動を推進しています。

刊行物

学会機関『カナダ研究年報』を年1回、会報「日本カナダ学会ニューズレター」を年3回発行しています。また、研究資料として『カナダ研究入門』 『カナダ研究邦語文献目録』『メイプル豆事典』『史料が語るカナダ』を発行しました。


学会の現況

設 立 1977年12月11日(当時は「日本カナダ研究会」の名称)
会員数 232名(2022年4月1日現在)
会 長 岸上伸啓会員(国立民族学博物館)
事務局 
 〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1 国立民族学博物館岸上研究室気付 日本カナダ学会
他の学術団体との関係等
 日本学術会議協力学術研究団体
 International Council for Canadian Studies – Member Association
 Pacific Asia Network of Canadian Studies – Member Association
年度制
 4月1日から翌年3月31日を学会活動における1年度とする。ただし、役員の任期は、西暦末尾偶数年の4月1日から2年後の3月31日まで。

近時の研究大会の状況

2016年度(第41回年次研究大会)
企画委員長:田中俊弘会員(麗澤大学)
実行委員長:佐藤信行会員(中央大学)
2016年9月10日及び11日(於中央大学後楽園キャンパス)

2017年度(第42回年次研究大会)
企画委員長:飯笹佐代子会員(青山学院大学)
実行委員長:岸上伸啓会員(国立民族学博物館)
2017年9月9日及び10日(於国立民族学博物館)

2018年度(第43回年次研究大会)
企画委員長:大石太郎会員(関西学院大学)
実行委員長:下村雄紀会員(神戸国際大学)
2018年9月15日及び16日(於神戸国際大学)

2019年度(第44回年次研究大会)
企画委員長:佐藤信行会員(中央大学)
実行委員長:広瀬健一郎会員(鹿児島純心女子大学)
2019年9月6日及び7日(於鹿児島純心女子大学)

2020年度(第45回年次研究大会)
企画委員長:池上岳彦会員(立教大学)
実行委員長:矢頭典枝会員(神田外語大学)
2020年9月12日及び13日(於大学セミナーハウス(ハイブリッド開催))

2021年度(第46回年次研究大会)
企画委員長:福士純会員(岡山大学)
実行委員長:溝上智恵子会員(筑波大学)
2020年9月11日及び12日(オンライン開催)

2022年度(第47回年次研究大会)
企画委員長:広瀬健一郎会員(鹿児島純心女子大学)
実行委員長:岡部敦(札幌大谷大学)
2022年9月17日及び18日(於ANAクラウンプラザホテル千歳)前日にプレセッションを開催

2023年度(第48回年次研究大会)
企画委員長:河原典史会員(立命館大学)
実行委員長:岸上伸啓会員(国立民族学博物館)
2023年9月16日及び17日(於国立民族学博物館)


学会略年譜

  • 1977年5月28日、日本カナダ研究会設立準備会。 
  • 1977年12月11日、日本カナダ研究会発足;第1回年次研究大会(東京:国際文化会館)
  • 1978年11月18日、第2回年次研究大会。日本カナダ研究会は「日本カナダ学会」と改称。関西地区研究会発足(12月)。
  • 1979年8月31日~9月2日、日加修好50周年記念日加学術会議・第3回年次研究大会(八王子大学セミナーハウス)。関東地区研究会発足。
  • 1980年3月29日、第4回年次研究大会(大阪:日本生命研修所)
  • 1980年12月6日、第5回年次研究大会(立教大学)
  • 1981年9月5・6日、第6回年次研究大会・北海道国際会議(北方圏センター及び北海学園大学)
  • 1982年9月24・25日、第7回年次研究大会(山形大学)
  • 1983年9月24・25日、第8回年次研究大会(帝塚山短期大学)
  • 1984年9月15・16日、第9回年次研究大会(関西学院大学)
  • 1985年9月28・29日、第10回年次研究大会(中央大学)
  • 1986年9月27・28日、第11回年次研究大会(南山大学)
  • 1987年10月3・4日、第12回年次研究大会〔創立10周年記念大会〕(同志社大学)
  • 1988年9月23・24日、第13回年次研究大会(宮城学院女子大学)
  • 1989年9月23・24日、第14回年次研究大会(桜美林大学)
  • 1990年9月22・23日、第15回年次研究大会(新潟大学)
  • 1991年9月21・22日、第16回年次研究大会(在日カナダ大使館B2シアター)
  • 1992年9月26・27日、第17回年次研究大会(大阪学院大学)
  • 1993年9月25・26日、第18回年次研究大会(上智大学)
  • 1994年9月26・27日、第19回年次研究大会(北海道大学)
  • 1995年9月30日~10月1日、第20回年次研究大会(神戸学院大学)
  • 1996年9月19・20日、第21回年次研究大会(清泉女子大学)
  • 1997年9月19・20日、第22回年次研究大会(福島県天栄村、British Hills)
  • 1998年9月19・20日、第23回年次研究大会(阪南大学)
  • 1999年9月17・18日、第24回年次研究大会(明治大学)
  • 2000年9月15・16日、第25回年次研究大会(大東文化大学・板橋キャンパス)
  • 2001年9月15・16日、第26回年次研究大会(名古屋市立大学)
  • 2002年9月14・15日、第27回年次研究大会(キャンパスプラザ京都・立命館大学主催)
  • 2003年9月6・7日、第28回年次研究大会(中央大学・後楽園キャンパス)
  • 2004年9月18・19日、第29回年次研究大会(湘南国際村)
  • 2005年9月17・18日、第30回年次研究大会(神戸国際大学)
  • 2006年9月9・10日、第31回年次研究大会(早稲田大学・西早稲田キャンパス)
  • 2007年9月21・22日、第32回年次研究大会(麗澤大学)
  • 2008年9月20・21日、第33回年次研究大会(皇學館大學・伊勢キャンパス)
  • 2009年9月12・13日、第34回年次研究大会(大阪・国立民族学博物館)
  • 2010年9月18・19日、第35回年次研究大会(青山学院大学・青山キャンパス)
  • 2011年9月17・18日、第36回年次研究大会(大阪学院大学)
  • 2012年9月12・13日、第37回年次研究大会(関西大学)
  • 2013年9月21・22日、第38回年次研究大会(神田外語大学)
  • 2014年10月4・5日、第39回年次研究大会(関西学院大学)
  • 2015年9月12・13日、第40回記念年次研究大会(立教大学)
  • 2016年9月10・11日、第41回年次研究大会(中央大学・後楽園キャンパス)
  • 2017年9月9・10日、第42回年次研究大会(大阪・国立民族学博物館)
  • 2018年9月15・16日、第43回年次研究大会(神戸国際大学)
  • 2019年9月6・7日、第44回年次研究大会(鹿児島純心女子大学)
  • 2020年9月12・13日、第45回年次研究大会(COVID-19のため、大学セミナーハウスを拠点とするハイブリッド開催)
  • 2021年9月11・12日、第46回年次研究大会(COVID-19のため、オンライン開催)(配信元=筑波大学・中央大学)
  • 2022年9月17・18日、第47回年次研究大会(ANAクラウンプラザホテル千歳)前日16日にプレセッションを実施
  • 2023年9月16・17日。第48回年次研究大会(大阪・国立民族学博物館)