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ケベック州法制度(Provincial Legal System of Quebec)

カナダの法制度の特徴の一つは連邦制であり、ケベック州を含む各州は、カナダ憲法に定められた州管轄事項について、カナダ人権憲章に反しない限り、独自の法制度・政策を構築することができるが、とくにケベック州は、フランス植民地から出発したという歴史から、フランス法を継受・発展させた法制度を有しており、他州及び連邦の法制度がイギリス法を継受・発展させたものであることと対照をなしている。

両者の具体的な相違は多岐にわたるが、市民社会の基本法である民法についていえば、ケベックは制定法主義をとるシビル・ロー(civil law)系に属し、他州は判例法主義をとるコモン・ロー(common law)系に属していることから、後者では「民法典」が存在せず市民社会生活に係るほとんどの事項は判例法によってカバーされているが、ケベック州には州議会制定法たる「民法典」(Code civil du Quebec)があって、全10編・3000条を越えるこの大法典が、私法領域の基本事項を網羅的に規定しているという相違がある。

他方カナダでは、一般刑法制定権限は連邦に属しており、コモン・ロー刑法を制定法化した連邦刑法(Criminal Code)がケベック州内でも適用される。また、法運用を担う裁判所については、10州それぞれの裁判所制度と連邦裁判所制度が区分されているが、「カナダ最高裁判所」が両系列の裁判所の最上級審に位置づけられており、カナダ憲法を頂点とするカナダ法運用の調和が図られている。

(佐藤信行)

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