日系カナダ人

カナダに渡った日本人移民およびカナダで生まれた彼らの子孫をさす。カナダへの日本人移民の始まりは1877年とされるが、移民が本格的になったのは1887年以降である。初期の移民の大半は独身男子であり、移住の目的は出稼ぎであった。カナダへの移民を多数送り出したのは滋賀県、広島県、三重県などであるが、定着の傾向が見られ始めたのは20世紀に入ってからであり、その過程で県人会なども組織された。カナダへの日本人移民のほとんどがブリティッシュ・コロンビア州(BC州)に集中し、第2次世界大戦時に内陸部へ強制移動させられるまで、カナダの日系人の95%がBC州に在住していた。彼らの就労先は漁業、炭鉱、山林伐木業、製材業、鉄道建設などであった。

BC州では、東洋人排斥を経験しながらも、日本から「写真花嫁」を迎えて家庭を築く者や第1次世界大戦に義勇兵として参加した日系人もおり、次第にカナダ社会に定着していくが、第2次世界大戦時、総人口約23,000人の日系人は、カナダ生まれの二世、三世も「敵性外国人」として強制的に立ち退き・収容された。このような取り扱いに対するカナダ政府の謝罪と補償がカナダ議会で認められたのは1988年のことである。戦後は1980年代までに約10,000人が日本から移民しているが、彼らは戦前に見られたような制限や排斥運動は経験していない。2001年の国勢調査では日系人人口は約85,000人であるが、出自を「日本人」とだけ申告しているのはその6割で、残りは日本人を含む複数の出自を申告している。彼らはBC州には集中せず、トロントやウィニペグなどカナダ各地に拡散している。他のエスニック集団との結婚率も高く、カナダ社会に溶け込んでいるといわれる日系人の教育程度や所得の面でもカナダの平均を上回り、文学などの分野での活躍も顕著である。

(飯野正子)

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