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ノースウェスト会社(Northwest Company)

この会社は、1779年にモントリオールのイギリス系商人グループによって設立された。ヌーヴェル・フランス消滅後の、セント・ローレンス水系の毛皮交易の独占と目的としたもの。「森の走者」の伝統を受け継ぐ秀れた探検家達、例えばA・マッケンジー(A.Mackenzie)、S・フレイザー(S.Fraser)、D・トンプソン(D.Tompson)等はいずれもこの会社の代理人であり、彼らが切り開いた交易圏は拡大であった。19世紀初めにその通商路は、モントリオール起点にフォート・ウィリアム、フォート・エドモントン等を経て、遠く太平洋岸のアストリア(Astoria)に達し、その事業効率は、17世紀以来の伝統を持つ競争相手、ハドソン湾会社をむしろ圧倒する勢いを見せたのである。両者の抗争は辺境の前哨基地において屡々衝突を繰り返したが、長大すぎる物資輸送路がノースウェスト会社の致命的弱点となった。1812年にハドソン湾会社の株主たるセルカーク卿(LordSelkirk)が、現ウィニペグ周辺にレッドリバー農業植民地を新設するや、その出現はハドソン湾会社による、幹線通商路の悪意ある遮断と受け取られたのである。この小植民地への襲撃とセルカークによる報復が行われ、この問題はさらに一連の法廷闘争に発展した。これらの抗争は両者に重い負担となり、殊に損害の大きかったノースウェスト会社は、1821年、遂にハドソン湾会社と合併せざるを得なくなった。ここに西部毛皮交易は、ルパーツランド系の新ハドソン湾会社の独占するところとなったのである。

(江川良一)

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