HOME▶お知らせ▶弔意:Ramsay Cook 先生ご逝去のお知らせを受けて(飯野正子会員)

弔意:Ramsay Cook 先生ご逝去のお知らせを受けて(飯野正子会員)

7月18日の朝、奥様からのお電話。悲報に、涙が流れ、声が詰まった。信じられない・・・つい先日メールをいただき、8月にお会いしましょうとお返事したばかり。軽い脳梗塞で入院されて1か月にも満たない7月14日。最終的にはすい臓がんの末期だったと。

先生はJACSにとってまさに「恩人」である。お世話になった日本のカナダ研究者は多いと思うが、私もその一人。1982年山形大学で開催された年次大会に大原祐子先生のご紹介で基調講演者としていらしたのが初来日。飯沢英昭先生のご案内で、小浪充先生や木村和男先生(悲しいことにお二人とも故人になられた)らもご一緒に蔵王などの山歩きも・・・懐かしい思い出。

その後、何度となく講演のために来日され、また依頼すると快く原稿をお寄せくださった。日本におけるカナダ研究を発展させるために心を砕いてくださり、そのレベルが高いことを世界に知らせるために、成果をグローバルに発信すべきだと、先生は私たちの背中を押してくださったのだ。1988年には外務省からDistinguished Foreign Visitor の称号を受けておられる。

先生からどれだけ多くを学ばせていただいたか。カナダ研究に関してはもちろん、世界を見るまなざしも、そして人と接するときの優しさも、ユーモア感覚も、素晴らしかった。たくさんの思い出が波のように押し寄せるが、紙面が限られているので、一つだけ・・・竹中豊先生らのお力添えで私がJACS会長としてカナダ研究カナダ総督賞を受賞したときのこと。ヴァンクーヴァの立派な会場で授賞式に、クック先生はご自分を「介添え」と称してトロントから飛んで来てくださり、バグパイプを先頭にした長い行列での行進では付き添って歩いてくださった。この晴れがましい場で大変名誉であると同時に、いかに心強かったか。おまけに、当日が先生と奥様のご結婚記念日だったことを話してくださり、驚いて恐縮する私に、先生は「お祝いは昨日したから大丈夫」と。JACSにとって、この受賞が日本のカナダ研究のレベルを示すためにいかに重要なことかを、先生は身をもって示してくださったのだ。

クック先生に教えていただいた、広い視野でカナダ研究を学ぶ姿勢。これは、どんな研究にも必要な姿勢である。この悲しい機会に、改めてクック先生のご貢献に感謝し、これからも先生の教えを忘れず、カナダ研究の発展に少しでもお役に立ちたいと思う。先生のご冥福をこころから願って。 

飯野正子(日本カナダ学会顧問、元会長)

関連記事

フォトギャラリー

ロイヤルオンタリオ博物館

ロイヤルオンタリオ博物館

ピックアップ

2016.1.18

【重要】個人別認証エリアの開設について

2016年1月18日、既にお知らせのとおり、会員向けに個人別認証エリアを開設致しました。このウェブサイトの右上部「ログイン」からご利用…

ページ上部へ戻る